脱イボナメクジ宣言

小林よしのり読者であった黒歴史を告白する会

人智を尽くした皇統論議

shinkimuさんからのコメント

記録を残すさん

天皇も一種の宗教であり信仰であるというのは仰るとおりだと思います。

ただそれが少数派というのは誤りです。
たとえば元旦に神社に初詣する人たちはこの国の少数派ではないですよね。

天皇陛下神道の最高位です。
全国に8万ヶ所ある神社を束ねられているのも天皇陛下です。
祭祀をおこない、日本の国民の幸せと国家の安寧を祈っているのが天皇陛下の本来の役割です。

父系を続けてきたことによる最大のメリットは「権威と権力の分離」です。この国の始まり以来、どんな戦乱の世にあっても皇室を倒し自分がその上に立とうという者は現れませんでした。

京都御所にはお堀が無く、まったくの無防備だということに海外の研究者は皆一様におどろくとか。
中国や西洋の歴史が闘争による王朝交代の歴史だったことを考えると、これは奇蹟的なことだと言われています。

私が「畏怖の念がたりない」と申しあげたのは皇室に対する信仰についてではありません。我々の祖先が途方もなく長い期間ひたすら守ってきたシステム、そのことに対する畏怖の念が足りないと申し上げたのです。
そこを軽視し理性主義で根本的に変えてしまおうと考えるのは革命思想に他なりません。

各種世論調査などというものなどはまったくあてにならないものです。その時々の世情によりコロコロかわります。まさに浮薄な人智主義の最たるもので、それに対する根本的な懐疑こそが保守思想です。

2000年間どんな権力者でも手を触れられなかった絶対的な掟をいとも簡単に乗り越えられると思っている近代進歩主義者たちの傲慢ぶりこそが真に恐ろしいものかと思います。

2023年03月26日 08:15

https://washiblogact3.seesaa.net/article/498689496.html

 

葉月蓮さんからのコメント

前のブログについていた記録を残すさんのコメントに、とても共感するところがありました。
コメント欄も含めて、こちらのブログを楽しみにしています。

2023年03月26日 12:23

https://washiblogact3.seesaa.net/article/498740656.html

※前のブログのコメント

https://washioblog.hatenablog.com/entry/2023/03/26/065100

 

記録を残すさんからのコメント

shinkimuさん

返信ありがとうございます。

まずshinkimuさんは完全に勘違いされていて、私は「初詣に行くような、天皇や皇室に対して素朴な敬愛の念を持つ日本国民」が少数派であるなどとは一切言っておりません。
私が言ったのは、shinkimuさんの主張するような「男系継承が続いてきたことには人智を超えた何か深い本質がある」という考えは幻想であり、信仰であると思えるということと、そんな男系継承信仰を持つshinkimuさんのような男系派のかたがたは少数派である、ということです。
それともshinkimuさんは初詣をする人々がshinkimuさんと同じ位の熱量で「男系継承が続いてきたことには人智を超えた何か深い本質がある」と確信する男系派ばかりだと考えているのでしょうか?

しかし、もしそうなら世論調査で男系維持が1割という数字は出ないでしょう。shinkimuさんは世論調査なんて、と鼻にも引っ掛けないご様子ですが、それでも調査からは天皇・皇室を敬愛する人の数(初詣するような人の数)に比して、男系継承支持者の数は少ないのだな、ということ位は読み取れます。
世論調査なんてコロコロ変わるとも言いますが、皇統の危機が言われ出して久しく、調査は何度もおこなわれてきましたが、男系維持が多数を占めたことはないんじゃないですか?

世論調査だとか保守思想だとかに関係なく、物事を懐疑して検証するのは良いことですが、今回の場合は男系派=少数派という結論に変わりはないと思います。

次に、勘違いのあったゆえか「男系継承が続いてきたことの中にある人智を超えた何か深い本質」というものに対する明確な説明は無いようですが、「メリット」として「権威と権力の分離」をあげておられます。
shinkimuさんは「父系を続けてきたことによる最大のメリット」としていますが、これは「天皇が存在したことによる日本史の特徴」とは言えても、「父系の」という限定や断定をすることはできないでしょう。女系や双系だったら滅ぼされていたという史料でもあるなら別ですが。

もうひとつ、「我々の祖先が途方もなく長い期間ひたすら守ってきたシステム」「2000年間どんな権力者でも手を触れられなかった絶対的な掟」などの言い方は男系継承信仰のバイアスがかかったものにすぎないと思います。
ひとつひとつ具体的な史実に基づかなければ意味はないですが、これについては歴史学の研究などが進んでいくでしょうから男系派に証明せよと言うつもりはないです。

最後に、「近代進歩主義者たちの傲慢ぶりこそが真に恐ろしいもの」などは、男系信仰者側からはそのように見えて不満なのだろうな、ということは理解できます。

ただ、非信仰者からみると男系派の物言いも恐ろしく見えますよ。shinkimuさんは、女系になんてなったら二代と続かないだろうと書かれてますが、私には女系・女性天皇容認の7、8割に回る初詣に行くような素朴な敬愛を持つ人々が女系になったからといって「もう支持しない」と騒ぎ出すなんて全然思えません。じゃあ誰が騒ぐのかといったら自分たちの信仰を砕かれることになる男系派の人たちではないですか?

つまり「二代と続かないでしょう」とは「二代と続けさせない。俺たちが黙ってないから」という脅しじゃあないですか?

剣呑です。

2023年03月27日 18:49

 

shinkimuさんからのコメント

記録を残すさん

仰る通り、私の取り違えがあったようです。記録を残すさんが仰っていたのはあくまでも「男系派」の立場に立つ人々は少数派だということでしたね。
大変失礼しました。

ただ、神社に初詣に行ったり、神棚にお神酒をあげたり、そういう日本人の素朴な信仰の源にあるものは何かと言えば、神道のオーセンティシティにあることは間違いがないと思います。
そのオーセンティシティ(真正性)は何で担保されているのかということです。
その意味では私の申し上げたこともそれほど的を外したというものでもないと思いますが…。

私は疑問なのですが、世論調査はともかく、潜在的な部分も含めて「男系派」の立場に立つ人々はほんとうに少数派でしょうか。

世論調査については「何度も行われてきた」とのことですが、実際何回ほど行われてきたのでしょうか。
例えば数百年にわたって行われてきたという事実でもあるのでしょうか。
そしてその結論は毎回確実に男系派=少数派という結果だったのでしょうか。

そんなことはあり得ず、これからも、なんらかの醜聞でも現れれば、風向きは一気に変わってしまうものだと思います。
例えばどこかの国の指導者(仮想敵国)の御子息と女性皇族が結婚し、万世一系の皇統が途切れ、そこからその外国人がこの国を統治することになったということにでもなったらどうでしょう。
世論調査の結果はそれでも変わらないということはあり得るでしょうか。

これも言い尽くされたことですが、「父系継承」という仕組みの最大の恩恵は、女性は外部から皇室内に入ることができたが、男性は一切入れなかったということです。
その仕組みこそが、京都御所にはお堀がなく、「権威と権力が分離」された状態で、2000年以上にわたって「シラス」の統治が続いてきたというキーなのです。

歴史学の史実に照らし合わせて「男系継承」が果たして事実だったのか、ということには私はあまり興味がないのです。
以前に申し上げた通り、それは皇統譜に記されたこの国のオフィシャルな見解で全国民の総意に基づくものです。
それは記録を残すさんの仰る通りファンタジーであり、信仰であると私も思いますが、そこが崩れてしまったら、この国の成り立ちそのものが変わってしまうということです。

2023年03月28日 05:18

 

記録を残すさんからのコメント

shinkimuさん

潜在意識のレベルで男系支持者がどれくらいいるのかは分かりかねます。

厳密に考えれば、年始のイベントとして定着した初詣に参加したからといって必ずしも天皇への敬愛があるとも言えませんし。
男系派の人と話して感じるのは、説得力よりも圧がすごいということ。一番最初に書いたとおりです。そこを解決しないと男系支持者の数は増えないのではないでしょうか。

女系派に都合の悪い醜聞がおこっても、相対的に男系派が上がるとは限りません。「両方ダメだ、天皇制はなくしたほうがいい」という方向にいく可能性もあります。

それで本題である、男系継承が続いてきたことにある「人智を越えた深い本質」の説明についてですが、前回まででshinkimuさんは、「父系を続けてきたことによる最大のメリット」として「権威と権力の分離」を、「父系継承という仕組みの最大の恩恵」として男系派がよく口にする「男系継承は女性排除ではななく実は男性排除だった」というものをあげています。
これらがアンサーであるということでよろしいでしょうか。
だとすると、思っていたものと違いました。なぜなら、人智を越えたものの説明ということでしたし、人智主義や理性主義批判などもありましたが、shinkimuさんが挙げたこれらの説明は、人智そのものと思うからです。

まず「権威と権力の分離」は、「父系の天皇」というような限定はできないものの「天皇が存在したことによる日本史の特徴」であることは確かです。
しかしshinkimuさんの仰るような「どんな権力者も畏れ多くて手を出せなかったから」というような神秘的なものではなく、朝廷側は権威を与える役割を担うことで自分の存在価値を示すことに成功し、権力者側もそのほうが支配していくうえで都合が良いという人智であり、現実的かつ合理的な理由によるものです。
また、京都御所のお話ですが、御所には諸門があり護衛により守られていました。だから幕末にそこでバトルが起こるわけです。禁門の変蛤御門の変)ですね。

現在の御所の大部分は幕末に造られたもので、それ以前のものにお堀があったのか知らないですが、天皇の政治利用は盛んだったので御所は何度も襲撃されていますし、それに対する護衛もついていました。つまり権力者による「玉の奪い合い」です。これは「天皇は学問だけやっていれば良い」と京に押し込められた江戸時代をはさみ、幕末にまた繰り返されたのはご存知の通りです。
シラス統治で国を鎮めてきたというようなものは、記紀における理想の天皇像であって、実際は権力争いの渦中、平和になれば隔離状態というものでした。

次に「男系維持はじつは男性排除」についてですが、「女性天皇が仮想敵国の男性と結婚、実はその男は工作員で、女性天皇はいいように操られ、そこから日本が支配されてしまう」という例題に真面目に答えるのであれば、逆のパターンは考えなくて良いのですか?ということです。

つまり「男系男子の天皇が、実は工作員である仮想敵国の女性と結婚し、惚れた弱みでいいように操られ、そこから日本が支配されてしまう」というものです。「傾国」という言葉もありますし、前者を可能性としてアリとするなら後者の可能性も十分アリでしょう。そういえば雅子さまバッシングが盛んだった頃、その父親である十和田恆氏に対して、娘を通じて皇室に影響力を行使する野心があるといった非難がなされ、いま男系維持の主張を標榜する右派雑誌などは表紙にデカデカと「十和田王朝」と書いて叩いていたものです。
要するに、男系を維持しても「婚姻により外部から皇室に不届き者が入ってくる可能性」をゼロにすることはできない。
「男系維持は実は男性排除」という物言いは、女性排除批判に対して、逆のことを言って意表を突き、言い負かしてやろうというレトリック的な思い付きに過ぎないんじゃないでしょうか。まさに賢しらな人智であると思います。

以上のように、shinkimuさんの説明は「人智を越えた何か」の説明になっているとは思えませんでした。
shinkimuさんは史実にはさほど興味がなく男系継承が続いてきたという結果があれば信仰は揺るがないと表明されておられるので、そこにいたる道行きがどんなに泥臭く人智にまみれたものであっても気にならないかもしれません。

私は信教の自由を尊重しますのでそれを非難しませんが、結果で十分ならば途中の道行きに対し史実を曲げて、ひたすら恐れられ守られてきたとか、絶対の掟だったとかの粉飾をすることは控えていただけたらと思います。

2023年03月30日 06:39

https://washiblogact3.seesaa.net/article/498689496.html

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